かつては芸者さんと屋形船は、今よりももっと深い関係だったそうです。昭和のある時期まで、川沿いに立ち並ぶ料亭には桟橋があって、お座敷からそのまま屋形船に乗り移ることができました。芸者さんが、小唄、長唄、清元などを三味線の伴奏でうたう、そんな光景をふつうに見ることができたというから、なんとも風流な話です。芸者さんの他にも、落語家さんを呼んで船徳などを話してもらったり、津軽三味線の迫力ある演奏を楽しんだり、浄瑠璃のひとつである新内語りを楽しむなど、花見の屋形船を盛り上げるおもしろい趣向はたくさんあります。いろいろな楽しみ方ができるのも、屋形船の魅力のひとつといえます。屋形船でのお座敷遊びは、いまでも手配することができるそうです。屋形船をそんなかたちで、ぜひ一度粋に楽しんでみたいものです。